沖縄県の老人ホーム費用相場を公的データで見る|全国最安水準のサ高住家賃と、年金で入るための選択肢
沖縄県のサ高住は家賃+共益費が中央値60,000円
沖縄県で親の住まいを探すとき、本土の相場をそのまま当てはめると実態から離れた予算を組むことになります。国土交通省のサ高住登録データは1件ずつの家賃が公開されているため、沖縄が全国のどのあたりに位置するのかを同じ物差しで確認できます。
| 指標 | 沖縄県 | 全国 |
|---|---|---|
| 中央値 | 60,000円 | 80,700円 |
| 25パーセンタイル(安い方から4分の1) | 49,875円 | 66,000円 |
| 75パーセンタイル(高い方から4分の1) | 66,074円 | 105,000円 |
| 平均 | 61,998円 | 91,592円 |
| 代表値の最小〜最大 | 32,000円〜138,808円 | 22,500円〜810,000円 |
| 集計した住宅の数(母数n) | 60件 | 8,303件 |
| 食事の対価の中央値 | 43,800円(n=56) | 50,100円(n=7,998) |
集計のしかた
サ高住は1つの住宅の中に間取り違いの部屋があるため、家賃が「最低額〜最高額」の幅で登録されています。そこで家賃の代表値(最低額と最高額の単純平均)+共益費の代表値(同)を1住宅あたりの月額としました。介護サービス費・食費・水道光熱費・生活相談の対価は含みません。
差は家賃だけではありません。食事の対価の中央値も沖縄県43,800円(n=56)に対し全国は50,100円。家賃+共益費と食事の対価の両方が登録されている56件について住宅ごとに合計した中央値は100,700円で、全国の同じ計算(131,000円)より30,300円低い水準です。1年に置き換えると363,600円の違いになります。
・厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)/2026年6月末時点のデータを2026年8月11日に取得
・サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(国土交通省)登録データ/2026年6月末時点(登録データ2026年6月版)を2026年8月11日に取得
※国土交通省のサ高住登録データについては、二次利用の条件を一次情報で確認中のため、ライセンス名は記載していません。出典元の名称のみを明示しています。
※金額はいずれも登録・公表されている届出値であり、実際の契約額・請求額を保証するものではありません。
全国の中でどれくらい安いのか
金額の低さを実感するには、全国の分布の中に置いてみるのが早いです。
| 家賃+共益費(月額)の帯 | 沖縄県の住宅数 | 県内の割合 | 全国の割合 |
|---|---|---|---|
| 5万円未満 | 15件 | 25.0% | 6.1% |
| 5万円台〜6万円台 | 32件 | 53.3% | 25.6% |
| 7万円台〜9万円台 | 10件 | 16.7% | 38.6% |
| 10万円〜14万円台 | 3件 | 5.0% | 22.5% |
| 15万円以上 | 0件 | 0.0% | 7.3% |
| 合計 | 60件 | 100% | 100% |
沖縄県は5万円未満が15件で25.0%、5万円台〜6万円台が32件で53.3%。合わせて78.3%が7万円未満に収まります(全国は31.7%)。逆に10万円以上は3件だけで、15万円以上の登録は0件です。
もう1つ、初期費用に関する事実として、前払金(入居一時金)方式の住宅は沖縄県の60件中0件でした。サ高住は敷金のみのケースが大半ですが、有料老人ホームでは前払金の設計が総費用を左右します。
中央値が低い5県を並べると
「全国最安水準」がどの程度なのかを、下位5県を並べて確認します。
| 都道府県 | 中央値 | 25% | 75% | 母数n |
|---|---|---|---|---|
| 沖縄県(全国43位) | 60,000円 | 49,875円 | 66,074円 | 60件 |
| 宮崎県(全国44位) | 56,750円 | 39,750円 | 66,000円 | 26件 |
| 徳島県(全国45位) | 56,000円 | 50,725円 | 64,750円 | 79件 |
| 長崎県(全国46位) | 55,500円 | 45,125円 | 73,250円 | 123件 |
| 青森県(全国47位) | 46,000円 | 40,000円 | 65,000円 | 105件 |
| 全国 | 80,700円 | 66,000円 | 105,000円 | 8,303件 |
沖縄県は43位で、最も低い青森県(46,000円)との差は14,000円です。下位5県はいずれも中央値6万円前後に収まっており、沖縄県だけが突出して安いわけではありません。「全国の中では安い側のグループに入っている」という理解が正確です。
市町村別の相場——数字を出せるのは5市町だけ
沖縄県はサ高住の登録件数そのものが少なく(県全体で60件・2,055戸)、市町村単位で金額を語れる地域が限られます。1〜2件の住宅の事情で数字が動いてしまう地域では、あえて金額を出していません。
| 市区町村 | 厚労省データの施設数 | サ高住の母数n | 中央値 | 25% | 75% | 食事の対価の中央値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 那覇市 | 60件 | 12件 | 63,500円 | 51,000円 | 88,250円 | 45,000円 |
| うるま市 | 22件 | 9件 | 62,000円 | 60,000円 | 66,015円 | 40,000円 |
| 沖縄市 | 24件 | 8件 | 60,500円 | 57,500円 | 65,254円 | 43,650円 |
| 南風原町 | 9件 | 5件 | 49,500円 | 44,250円 | 52,000円 | — |
| 豊見城市 | 15件 | 5件 | 44,500円 | 39,150円 | 44,900円 | 39,900円 |
県庁所在地である那覇市でも中央値は63,500円(n=12)。これは全国の25パーセンタイル66,000円を下回る水準です。ただし那覇市は25パーセンタイル51,000円〜75パーセンタイル88,250円と県内では幅が広く、住宅による違いが大きい地域でもあります。
表の「厚労省データの施設数」は特養・老健・有料老人ホーム・グループホームなどの合計で、サ高住の母数nとは別のデータです(重複するため足せません)。南風原町については、厚生労働省が「南風原町」、国土交通省が「島尻郡南風原町」と表記を変えているため、当サイトで名寄せして突き合わせています。
離島の選択肢
宮古島市(厚労省データ16件/サ高住登録1件)・石垣市(厚労省データ13件/サ高住登録2件)。離島ではサ高住の登録がごく少なく、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホームが中心の選択肢になります。本島の施設を選ぶ場合は、面会のための移動費と時間を毎月の負担として見込んでおく必要があります。
登録はあるが相場を出せなかった市町村
サ高住の登録がある17市町村のうち、12市町村は母数が5件に満たないため金額を出していません。登録が「ない」わけではなく、金額を語れるだけの件数がない、という意味です。
| 市区町村 | サ高住の登録数 | 厚労省データの施設数 |
|---|---|---|
| 宜野湾市 | 4件 | 15件 |
| 浦添市 | 4件 | 14件 |
| 今帰仁村 | 2件 | 6件 |
| 南城市 | 2件 | 13件 |
| 石垣市 | 2件 | 13件 |
| 与那原町 | 1件 | 6件 |
| 北中城村 | 1件 | 4件 |
| 北谷町 | 1件 | 8件 |
| 名護市 | 1件 | 12件 |
| 宮古島市 | 1件 | 16件 |
| 糸満市 | 1件 | 9件 |
| 読谷村 | 1件 | 6件 |
施設の種類ごとの数と定員
費用の次に効いてくるのは「近くに何があるか」です。沖縄県の施設数は本土の県と比べて多くはないため、施設の種類ごとの数を把握しておくと候補の見当がつきます。
| 施設の種類 | 施設数 | うち定員を公表している施設 | その定員の合計 |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 62件 | 27件 | 2,038人 |
| 特別養護老人ホーム(地域密着型) | 20件 | 5件 | 145人 |
| 介護老人保健施設 | 45件 | 14件 | 1,336人 |
| 介護医療院 | 7件 | 3件 | 181人 |
| 有料老人ホーム | 37件 | 18件 | 848人 |
| 軽費老人ホーム(ケアハウス) | 7件 | 3件 | 150人 |
| グループホーム | 116件 | 65件 | 658人 |
| サービス付き高齢者向け住宅(特定施設の指定を受けたもの) | 7件 | 3件 | 108人 |
| 合計 | 301件 | — | — |
県内で最も数が多いのはグループホームの116件です。グループホームは認知症の診断があり要支援2以上の方が対象で、少人数で共同生活を送る形の住まいです(グループホームの入居条件と費用)。次いで特別養護老人ホームが62件、地域密着型の特養が20件あります。
施設の種類ごとの違いは老健と特養の違い、有料老人ホームの3つの種類で解説しています。
施設種別ごとの違い(入居対象・費用のかかり方・根拠法)は、老人ホームの種類一覧|公的・民間14種別の施設数と入居対象で全体像を整理しています。
市町村別の施設数
厚生労働省のデータで施設が5件以上ある18市町村を、種別ごとに並べました(1件以上あるのは34市町村)。サ高住の相場を出せなかった地域でも、特養や老健、グループホームは複数あります。
| 市区町村 | 特別養護老人ホーム | 介護老人保健施設 | 介護医療院 | 有料老人ホーム | ケアハウス | グループホーム | 厚労省データ計 | サ高住登録 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 那覇市 | 14 | 7 | 1 | 9 | 1 | 26 | 60 | 12 |
| 沖縄市 | 6 | 2 | — | 7 | 2 | 7 | 24 | 8 |
| うるま市 | 5 | 3 | — | 2 | 1 | 11 | 22 | 9 |
| 宮古島市 | 5 | 2 | — | 2 | 1 | 5 | 16 | 1 |
| 宜野湾市 | 3 | 1 | — | 1 | — | 9 | 15 | 4 |
| 豊見城市 | 3 | 5 | — | 3 | — | 4 | 15 | 5 |
| 浦添市 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 | 6 | 14 | 4 |
| 南城市 | 5 | 2 | — | 3 | — | 3 | 13 | 2 |
| 石垣市 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 5 | 13 | 2 |
| 名護市 | 4 | 2 | — | 1 | — | 5 | 12 | 1 |
| 八重瀬町 | 3 | 2 | — | 1 | — | 2 | 9 | — |
| 南風原町 | 1 | 3 | 1 | 2 | — | 2 | 9 | 5 |
| 糸満市 | 3 | 2 | 1 | — | — | 3 | 9 | 1 |
| 北谷町 | 1 | 1 | — | 1 | — | 4 | 8 | 1 |
| 金武町 | 2 | 1 | — | 1 | — | 3 | 7 | — |
| 与那原町 | 2 | 1 | — | — | — | 2 | 6 | 1 |
| 今帰仁村 | 1 | 1 | 1 | — | — | 3 | 6 | 2 |
| 読谷村 | 3 | — | — | — | — | 3 | 6 | 1 |
「特別養護老人ホーム」の列は地域密着型(定員29人以下)を含みます。「サ高住登録」は国土交通省の登録件数で、厚労省データの列とは別のデータです(重複するため足せません)。「—」はその種別の登録が0件であることを示します。
年金だけで入れるか——沖縄のデータで考える
「親の年金の範囲で入れる施設はあるか」という問いに対して、沖縄県のデータは全国より前向きな数字を示しています。ただし年金だけで完結するかどうかは、要介護度と使うサービス量で変わります。
サ高住を選ぶ場合
家賃+共益費の中央値は60,000円、25パーセンタイルは49,875円。食事の対価まで含めた合計の中央値は100,700円で、合計の25パーセンタイルは94,200円です。ここに介護サービス費の自己負担分・水道光熱費・医療費・日用品費が加わります。
安い側を具体的に見ると、家賃+共益費が6万円未満の住宅が29件、5万円未満が15件。7万円未満の住宅は15市町村に分布しており、件数が多いのはうるま市(8件)・沖縄市(8件)・那覇市(7件)・宜野湾市(4件)・南風原町(4件)です。
介護保険3施設を選ぶ場合
特養・老健・介護医療院は、居住費と食費に国の基準があり、所得と資産に応じて負担限度額認定で自己負担の上限が下がります。年金収入が限られている場合、費用面ではこちらが選択肢に入りやすくなります。ただし特養は原則として要介護3以上という入居条件があります。
介護サービス費の自己負担割合は所得によって1割・2割・3割に分かれ(自己負担割合の判定基準)、1か月の自己負担が上限を超えた分は高額介護サービス費で戻ります。どちらも申請が必要な制度です。
年金額別の考え方は親の年金だけで入れる老人ホームはある?、費用の下げ方は老人ホームの費用を安く抑える6つの方法にまとめています。
生活保護を受けている場合に使える制度
- 介護扶助:介護保険サービスの自己負担分は介護扶助の対象で、原則として現物給付です。手続きは福祉事務所を通します
- 負担限度額認定の最も低い段階:特養・老健・介護医療院の居住費と食費は、生活保護を受けている方は最も低い段階として扱われます
- 住宅扶助の上限:サ高住や有料老人ホームの家賃は住宅扶助でまかないます。上限額は市町村(級地)と世帯人数によって変わるため、担当のケースワーカーに確認してください
参考として、沖縄県のサ高住60件のうち、家賃+共益費の代表値が5万円未満の住宅は15件(25.0%)ありました。全国では6.1%なので、家賃の水準としては選択肢を見つけやすい地域だと言えます。
費用が払えない状況全般の対処は介護費用が払えない時の5つの解決策で減免制度も含めて解説しています。家族間の費用分担については親の介護費用は誰が出す?もあわせてどうぞ。
沖縄で施設を探すときに確認したいこと
1. 一般型か介護型か
特定施設入居者生活介護の指定を受けたサ高住は県内で5件(登録60件のうち8.3%)。残りは一般型で、訪問介護やデイサービスを外部と契約して組み合わせます。要介護度が上がったときに住み続けられるかは、契約前に確認しておきたい点です。つまずきやすいポイントはサ高住で後悔した10の理由にまとめています。
2. 「月額◯円」に何が含まれるか
このページの相場は家賃+共益費だけの数字です。食費・水道光熱費・生活相談の対価・おむつ代・医療費まで含めた1か月の総額で比べないと、施設どうしの比較にはなりません。沖縄では夏場の冷房費が家計に効くため、水道光熱費が定額か実費かも確認しておくと安心です。
3. 移動と面会のこと
本島北部や離島の施設を選ぶ場合、面会のための移動時間と交通費が毎月続くことになります。費用が安い施設を選んでも、家族の移動負担で続かなくなっては本末転倒です。「毎週通えるか」「月に何回なら現実的か」を先に家族で決めてから地域を絞ると、後悔が少なくなります。
まとめ
このページで確認した内容を整理します。
- サ高住の家賃+共益費は中央値60,000円(n=60)。全国43位で、全国中央値より20,700円低い(年間248,400円の差)
- 食事の対価まで含めた合計は中央値100,700円(全国131,000円)
- 7万円未満が78.3%、15万円以上の登録は0件
- 相場を出せたのは5市町だけ。サ高住の登録がある市町村も17にとどまる
- 厚労省データでは県内301件。最多はグループホーム116件
費用が抑えられる地域であることは確かですが、選択肢の数そのものが限られる点は本土と大きく違います。候補地域を広めにとり、施設の種類も限定せずに探すこと。そして数字は出発点として使い、最終的な判断は見学と、地域の事情を知る専門職への相談で固めることをおすすめします。
このページのデータについて(出典と制約)
・厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)/2026年6月末時点のデータを2026年8月11日に取得
・サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(国土交通省)登録データ/2026年6月末時点(登録データ2026年6月版)を2026年8月11日に取得
※国土交通省のサ高住登録データについては、二次利用の条件を一次情報で確認中のため、ライセンス名は記載していません。出典元の名称のみを明示しています。
※金額はいずれも登録・公表されている届出値であり、実際の契約額・請求額を保証するものではありません。
数字を読むときの前提
- サ高住の月額は「家賃の代表値+共益費の代表値」。代表値は最低額と最高額の単純平均で、戸数による重み付けはしていません
- 25/75パーセンタイルは線形補間で算出しています
- 母数が5件未満の市町村は金額を出していません
- 家賃の記載に極端な値がある住宅は全国で9件除外しています
- 厚生労働省データと国土交通省データは実体が重複するため合算していません
- 定員は「公表している施設だけの合計」です
データは2026年6月末時点です。開設・廃止や料金改定は随時行われるため、最新の状況は各施設・各自治体にご確認ください。個別の制度適用や入居可否の判断は、市町村の介護保険担当窓口・福祉事務所・地域包括支援センターなど専門の窓口にご相談ください。
よくある質問
沖縄県のサービス付き高齢者向け住宅の家賃相場はいくらですか?
国土交通省の登録データ(2026年6月末時点)を当サイトが集計したところ、沖縄県内60件の家賃+共益費は中央値60,000円でした(25パーセンタイル49,875円/75パーセンタイル66,074円)。全国の中央値80,700円より20,700円低く、47都道府県で43番目です。介護サービス費・食費・水道光熱費は含まれていません。
沖縄は本当に全国で安いほうなのですか?
当サイトの集計では、沖縄県の中央値60,000円は全国の25パーセンタイル66,000円を下回ります。7万円未満の住宅が県内の78.3%を占め、15万円以上の登録は0件でした。ただし水道光熱費や離島との交通費など、家賃以外の費用は別に考える必要があります。
那覇市の相場はどれくらいですか?
那覇市のサ高住12件の家賃+共益費は中央値63,500円(25パーセンタイル51,000円/75パーセンタイル88,250円)。県庁所在地でありながら全国の下位4分の1に入る水準ですが、県内では価格の幅が広く、住宅による違いが大きい地域です。
宮古島や石垣島でも施設は探せますか?
厚生労働省のデータでは宮古島市に16件、石垣市に13件の介護施設があります。一方でサ高住の登録は数件しかなく、相場を算出できる母数に達していません。離島では特養・老健・グループホームが中心の選択肢になります。
相場が載っていない市町村があるのはなぜですか?
サ高住の登録が5件未満の市町村は、1〜2件の住宅の事情で数字が大きく動くため、あえて金額を出していません。沖縄県ではデータに登場する34市町村のうちサ高住の登録があるのが17市町村、相場を算出できたのが5市町です。
