老人ホームの種類一覧|公的・民間14種別の施設数と入居対象
| 知りたいこと | 答え | 根拠 |
|---|---|---|
| そもそも何で分かれている? | 根拠になる法律が違う。老人福祉施設(養護・特養・軽費など)と、届出で運営する有料老人ホームは別の条文で定められている | 老人福祉法 第5条の3/第29条第1項 |
| 特養・老健・介護医療院の違いは? | 介護保険の施設サービスを行う3施設。特養は生活の場、老健と介護医療院は都道府県知事の許可を受けた医療寄りの施設 | 介護保険法 第8条第27項・第28項・第29項 |
| 認知症の親が対象と条文に書いてあるのは? | グループホーム(認知症対応型共同生活介護)。条文が対象を「要介護者であって認知症であるもの」と定めている | 介護保険法 第8条第20項 |
| サ高住は老人ホームなの? | 賃貸住宅または有料老人ホームのうち、都道府県知事の登録を受けたもの。登録は任意(受けることが「できる」規定) | 高齢者住まい法 第5条第1項 |
| いちばん数が多い種類は? | グループホーム14,236件(14種別36,354件の39.2%)。47都道府県のうち36で最多だった | 当サイト集計(厚生労働省オープンデータ) ※この行だけは条文ではなく当サイトの集計値です |
介護保険法第8条第20項(認知症対応型共同生活介護)「要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うこと」
出典:e-Gov法令検索「老人福祉法」(昭和三十八年法律第百三十三号)第5条の3・第29条(https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133)/「介護保険法」(平成九年法律第百二十三号)第8条(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123)/「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(平成十三年法律第二十六号)第5条(https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000026)/いずれも2026年8月12日確認
全体マップ:老人ホームの種類を分けているのは根拠になる法律
施設探しを始めると、特養・老健・介護医療院・ケアハウス・養護老人ホーム・介護付き・住宅型・健康型・サ高住・グループホームと、10前後の名前が一度に出てきます。ここで「多すぎて全体像が分からない」と感じるのは自然なことで、これらは同じ物差しの上に並んでいないからです。根拠になっている法律が3本あり、その3本が別々の目的で作られています。
下の表が、この記事の全体マップです。左から「よく使われる区分」「根拠になる法律」「法律が定めている入居の対象」、そして右端が当サイトが厚生労働省のオープンデータを集計した全国の施設数です。数を出せない種類は、空欄ではなく「出せない」と書いてあります。
| 種類 | よく使われる区分 | 根拠になる法律 | 法律が定めている入居の対象 | 全国の数(当サイト集計) |
|---|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) | 公的 | 老人福祉法 第20条の5/介護保険法 第8条第22項・第27項 | 要介護3・4・5(介護保険法第8条第22項→介護保険法施行規則第17条の9)。要介護1・2は同規則第17条の10の「やむを得ない事由」があると認められる場合 | 11,086件(広域型8,525・地域密着型2,561) |
| 介護老人保健施設(老健) | 公的 | 介護保険法 第8条第28項 | 要介護者(要支援は対象外) | 4,091件 |
| 介護医療院 | 公的 | 介護保険法 第8条第29項 | 要介護者(要支援は対象外) | 938件 |
| 軽費老人ホーム(ケアハウス) | 公的 | 老人福祉法 第20条の6 | 老人(要介護度の要件は条文にない) | 580件(介護保険の特定施設の指定を受けたもののみ) |
| 養護老人ホーム | 公的 | 老人福祉法 第20条の4/第11条第1項第1号 | 環境上・経済的な理由で居宅での養護が困難な65歳以上の方(市町村の措置) | 出せない(介護保険の公表データに載らない) |
| 介護付き有料老人ホーム | 民間 | 老人福祉法 第29条第1項+介護保険法 第8条第11項 | 老人(介護保険が給付されるのは要介護者) | 4,735件 |
| 住宅型有料老人ホーム | 民間 | 老人福祉法 第29条第1項 | 老人(要介護度の要件は条文にない) | 出せない(介護保険の指定を受けていない) |
| 健康型有料老人ホーム | 民間 | 老人福祉法 第29条第1項 | 老人(要介護度の要件は条文にない) | 出せない(同上) |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 民間 | 高齢者住まい法 第5条第1項 | 60歳以上の者、または要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の者(同法施行規則第3条) | 688件(介護保険の特定施設の指定を受けたもの)/国土交通省の登録は別途8,312件 |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 民間 | 介護保険法 第8条第20項 | 要介護者であって認知症であるもの | 14,236件 |
その厚生労働省令が介護保険法施行規則第17条の9「法第八条第二十二項の厚生労働省令で定める要介護状態区分は、要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成十一年厚生省令第五十八号。以下「認定省令」という。)第一条第一項第三号から第五号までに掲げる要介護状態区分とする。」で、認定省令第1条第1項の第三号・第四号・第五号はそれぞれ要介護三・要介護四・要介護五です。
要介護1・2の方については、同規則第17条の10が「認定省令第一条第一項第一号又は第二号に掲げる要介護状態区分に該当する者であって、その心身の状況、その置かれている環境その他の事情に照らして、居宅において日常生活を営むことが困難なことについてやむを得ない事由があると認められるもの」と定めています。どのような場合にこの事由を認めるかの具体的な運用は法令ではなく厚生労働省の通知(「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」平成26年12月12日老高発1212001号 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc0609&dataType=1&pageNo=1 )で示されており、実際の判断は施設と市区町村が行います。
サービス付き高齢者向け住宅の「60歳以上」の根拠:国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則第3条(年齢その他の要件)「法第五条第一項の国土交通省令・厚生労働省令で定める年齢その他の要件は、六十歳以上の者又は介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第十九条第一項に規定する要介護認定……若しくは同条第二項に規定する要支援認定……を受けている六十歳未満の者……であって、次に掲げる要件のいずれかに該当する者であることとする。」
出典:e-Gov法令検索「介護保険法」第8条(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123)/「介護保険法施行規則」第17条の9・第17条の10(https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036)/「要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令」第1条(https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100058)/「国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則」第3条(https://laws.e-gov.go.jp/law/423M60000900002)/いずれも2026年8月12日確認
サービス付き高齢者向け住宅の登録8,312件は、「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」(国土交通省)の登録データ(2026年6月時点・2026年8月11日取得)を当サイトが集計したものです。
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)/サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(国土交通省)登録データ
※サービス付き高齢者向け住宅の登録データは、二次利用の条件を一次情報で確認中のため、ライセンス名は記載していません。
また、「公的施設」「民間施設」という区分は法律用語ではありません。運営しているのが社会福祉法人か株式会社か、という主体の話でもなく、費用の決まり方が制度側にあるか契約側にあるかを大づかみに言い表した通称です。
【当サイト集計】14種別36,354件の内訳と定員
「種類が多い」と感じても、実際に地域で出会う施設は、数の多い種類に偏ります。ここでは、種類ごとに全国で何か所あるのかを1件ずつ数えました。件数は事業所(施設)の数で、居室の数ではありません。
内訳:上位3種(特養は広域型+地域密着型の合算)で82.7%
| 施設の種類 | 事業所数 | 構成比 | 定員を公表している施設数 | その定員の合計 | 1施設あたり定員(中央値) |
|---|---|---|---|---|---|
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 14,236 | 39.2% | 8,285 | 130,452人 | 18人 |
| 特別養護老人ホーム(広域型) | 8,525 | 23.5% | 3,909 | 284,956人 | 70人 |
| 介護付き有料老人ホーム(特定施設) | 4,735 | 13.0% | 2,351 | 132,891人 | 50人 |
| 介護老人保健施設(老健) | 4,091 | 11.3% | 1,668 | 147,991人 | 100人 |
| 特別養護老人ホーム(地域密着型) | 2,561 | 7.0% | 1,159 | 30,799人 | 29人 |
| 介護医療院 | 938 | 2.6% | 174 | 9,725人 | 48人 |
| サービス付き高齢者向け住宅(特定施設の指定あり) | 688 | 1.9% | 306 | 14,512人 | 45人 |
| 軽費老人ホーム/ケアハウス(特定施設の指定あり) | 580 | 1.6% | 318 | 14,100人 | 41人 |
| 合計 | 36,354 | 100% | 18,170 | 765,426人 | — |
目を引くのはグループホームの14,236件です。全体の39.2%を占め、種類としては最も多い。ところが1施設あたりの定員は中央値18人と最も小さく、定員の合計では特別養護老人ホーム(広域型)の284,956人に届きません。「数が多い=入れる枠が多い」ではないということが、この2列を並べると見えてきます。
逆の形になっているのが介護老人保健施設で、件数は4,091件と全体の11.3%ですが、1施設あたりの定員は中央値100人と最も大きい類型です。介護医療院は938件と数自体が少なく、定員を公表しているのは174件(18.6%)にとどまります。
あなたの地域で多い種類は、全国の順番と違うことがあります
全国の合計では上のような順番になりますが、都道府県ごとに数え直すと順番が変わります。当サイトが47都道府県それぞれで最も件数の多い種類を調べたところ、次のように分かれました(ここでの特別養護老人ホームは広域型と地域密着型を合算した数です)。
- グループホームが最多だったのは36都道府県(北海道996件・神奈川県815件など)
- 特別養護老人ホームが最多だったのは10県(茨城県・栃木県・埼玉県・千葉県・新潟県・山梨県・福井県・山形県・三重県・兵庫県)
- 介護付き有料老人ホームが最多だったのは東京都だけ(850件。都内の総数2,517件のうち33.8%)
つまり、東京都で「介護付き有料老人ホームがたくさん見つかる」のも、地方で「調べても出てくるのはグループホームばかり」になるのも、探し方の巧拙ではなくその地域の供給構造そのものです。都道府県別の内訳をもう少し細かく見た集計は、介護付き・住宅型・健康型の3類型を公的データで整理した記事にまとめています。
市区町村まで下ろした施設数と家賃の実勢額は、地域別ページにまとめています。埼玉県(厚生労働省データ1,681施設。最多は特養500・グループホーム462・介護付き419)、茨城県(同818施設。特養328・グループホーム267・老健140)、沖縄県(同301施設。グループホーム116・特養82・老健45)が対象です。
定員は、厚生労働省のCSVに数値の記載がある施設だけを集計しています。定員欄が空欄または0の施設は「未記入」として扱い、定員の合計・中央値の計算から除いています。除いたのは36,354件のうち18,184件で、定員を集計できたのは18,170件(50.0%)です。政府データ側の誤記とみられる定員欄に日付が入った2件も、未記入として除外しました。
軽費老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の件数は、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けたものに限った数です。指定を受けていないものは、この公表データには載りません。
構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%に一致しないことがあります。
都道府県別の最多判定および上位3種の構成比(82.7%)では、特別養護老人ホームは広域型(コード510)と地域密着型(コード540)を合算しています。上の表は両者を別の行に分けているため、そのままでは検算できません。合算した値は8,525+2,561=11,086件(30.5%)です。
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)
また、サービス付き高齢者向け住宅の国土交通省への登録8,312件と、上の表の688件を足し算することはできません。両者は根拠となる制度も届出先も異なるデータで、実体が重なる施設があるためです(当サイトの照合では厚生労働省側の688件が重複にあたります)。
公的施設と呼ばれる5種類の施設
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
老人福祉法第20条の5が施設としての特別養護老人ホームを定め、そのうち入所定員が30人以上のものが介護保険法上の「介護老人福祉施設」として施設サービスの対象になります。定員29人以下のものは地域密着型として別に区分され、当サイトの集計では広域型8,525件に対し地域密着型2,561件でした。生活の場として長く暮らすことを前提にした施設で、居室が個室か多床室か(ユニット型か従来型か)によって費用の内訳が変わります。
入所の対象は要介護3・4・5です。これは介護保険法第8条第22項の限定が同条第27項にも及び、その厚生労働省令(介護保険法施行規則第17条の9)が要介護三から要介護五までと定めているためです。要介護1・2の方は、同規則第17条の10の「やむを得ない事由」があると認められる場合に限られます(条文は上のSOURCEに逐語で載せています)。
介護老人保健施設(老健)と介護医療院
この2つは、条文が「都道府県知事の許可を受けたもの」と定めている点で特養と違います。老健は在宅復帰を目的にリハビリテーションと医学的管理を行う施設、介護医療院は療養上の管理と医療を継続的に行う施設です。特養との違いは、老健と特養を費用・入居期間・対象者で比べた記事で比較表にしています。
同条第28項は「介護老人保健施設」を、「要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設として、第九十四条第一項の都道府県知事の許可を受けたもの」と定義しています。
同条第29項は「介護医療院」を、「要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設として、第百七条第一項の都道府県知事の許可を受けたもの」と定義しています。
出典:e-Gov法令検索「介護保険法」(平成九年法律第百二十三号)第8条(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123)/2026年8月12日確認
軽費老人ホーム(ケアハウス)と養護老人ホーム
この2つは介護保険法ではなく老人福祉法が直接定めている施設です。軽費老人ホームは「無料又は低額な料金で」老人を入所させる施設、養護老人ホームは市町村の措置によって入所が決まる施設で、本人や家族が施設と直接契約して入るしくみではありません。この措置という点が、他のすべての種類と決定的に違うところです。
同法第20条の4「養護老人ホームは、第十一条第一項第一号の措置に係る者を入所させ、養護するとともに、その者が自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことを目的とする施設とする。」
同法第11条第1項柱書「市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。」同項第1号「六十五歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。」
出典:e-Gov法令検索「老人福祉法」(昭和三十八年法律第百三十三号)第11条・第20条の4・第20条の6(https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133)/2026年8月12日確認
民間施設と呼ばれる3種類の住まい
有料老人ホーム(介護付き・住宅型・健康型)
まず知っておきたいのは、法律の条文に「介護付き」「住宅型」「健康型」という言葉は出てこないということです。老人福祉法の上ではどれも同じ「有料老人ホーム」で、設置しようとする者は都道府県知事に事前の届出をします。3類型を分けているのは、介護保険法の特定施設入居者生活介護の指定を受けているかどうかです。当サイトの集計で数えられた4,735件は、この指定を受けたもの(=介護付き)だけです。この4,735件の内訳(一般型・地域密着型・外部サービス利用型)、定員の分布、都道府県ごとの偏り、そしてパンフレットや重要事項説明書のどこを見れば類型が分かるかは、有料老人ホームの3類型を公的データで整理した記事に譲ります。この記事では「有料老人ホームという1つの枠の中に3つの呼び名がある」という位置づけまでを押さえてください。
介護保険法第8条第11項「この法律において「特定施設」とは、有料老人ホームその他厚生労働省令で定める施設であって、第二十一項に規定する地域密着型特定施設でないものをいい、「特定施設入居者生活介護」とは、特定施設に入居している要介護者について、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいう。」
出典:e-Gov法令検索「老人福祉法」第29条(https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133)/「介護保険法」第8条(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123)/いずれも2026年8月12日確認
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サ高住は、条文の上では「賃貸住宅または有料老人ホーム」のうち、都道府県知事の登録を受けたものです。登録は「受けることができる」と書かれた任意の制度で、義務ではありません。提供が前提になっているのは状況把握サービスと生活相談サービスであって、介護そのものではない点が、介護付き有料老人ホームとの大きな違いです。介護が必要になったときは外部の事業者と契約する形が基本になります。入居できるのは60歳以上の方、または要介護・要支援の認定を受けている60歳未満の方で、これは同法施行規則第3条が定めています。特別養護老人ホームとの違いは特養とサ高住を費用・入居条件で比べた記事に、入居後に「思っていたのと違った」となりやすい点はサ高住で後悔した理由を整理した記事にまとめています。有料老人ホームとサ高住のどちらにするかで迷っている場合は、根拠法の違いから費用と介護の受け方を比べた記事が具体的です。
出典:e-Gov法令検索「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(平成十三年法律第二十六号)第5条(https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000026)/2026年8月12日確認
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホームは、対象が条文で「要介護者であって認知症であるもの」と定められている類型です。入居者が少人数で共同生活を送りながら、介護と機能訓練を受けます。当サイトの集計では1施設あたりの定員は中央値18人で、14種別のなかで最も小さい規模でした。市町村が指定する地域密着型サービスのため、原則としてその市町村に住民票がある方が対象になります。入居条件と暮らしの実際はグループホームの入居条件と費用をまとめた記事で解説しています。
種類を絞り込む順序は「認定→医療→お金」
この記事の全体マップの右から2列目——法律が定めている入居の対象——をもう一度見てください。種類を絞り込む条件は、そこにほとんど書いてあります。順番に答えていくと、候補は数種類まで減ります。
- 要介護認定はどうなっていますか。老健・介護医療院・グループホームは条文が対象を「要介護者」としており、特養はさらに絞られて要介護3・4・5(要介護1・2はやむを得ない事由がある場合)です。要支援の段階や、認定をまだ受けていない場合、候補になるのは有料老人ホーム・サ高住・ケアハウスの側になります。認定区分ごとの違いは介護保険の申請方法をまとめた記事から確認できます。
- 医療の必要度はどのくらいですか。老健と介護医療院は、条文に「医学的管理の下における介護」「必要な医療」と書かれており、都道府県知事の許可を受けた施設です。反対に、有料老人ホームやサ高住は住まいが出発点で、医療は外部との連携で組み立てます。
- 認知症の診断は出ていますか。条文が対象を「認知症であるもの」としているのはグループホームだけです。ただし他の種類が受け入れないという意味ではありません。
- 費用の決まり方は、制度側と契約側のどちらが合いますか。公的施設は介護保険の給付と所得に応じた負担の枠組みで決まり、民間施設は事業者との契約で決まります。ここが最終的な絞り込みの軸になります。
費用と手続きの答えは別の記事にあります
種類の見当がついたら、次に出てくる疑問はほぼ決まっています。「うちの予算で入れるのか」「認定をどう取るのか」「結局どちらを選ぶべきか」の3つです。
- 費用から考える場合:施設タイプ別の月額・一時金の考え方は老人ホームの費用相場をまとめた記事に整理しています。
- 手続きから考える場合:申請の窓口・必要書類・認定までの日数は介護保険の申請方法の記事にあります。
- 2つで迷っている場合:老健と特養、特養とサ高住のように、よく比較される組み合わせは比較表にしてあります。
- 認知症の親の住まいを探している場合:グループホームの入居条件と費用の記事が出発点になります。
まとめ
- 老人ホームの種類を分けているのは、老人福祉法・介護保険法・高齢者住まい法という3本の法律である
- 公的施設と呼ばれるのは、介護保険法の施設サービス3施設(特養・老健・介護医療院)と、老人福祉法の養護老人ホーム・軽費老人ホーム
- 民間施設と呼ばれるのは、届出で運営する有料老人ホーム、登録を受けるサ高住、そして地域密着型のグループホーム
- 当サイトが厚生労働省のオープンデータで数えられたのは14種別36,354件。上位3種で82.7%を占める
- 最も件数が多いのはグループホームの14,236件(39.2%)だが、1施設あたり定員は中央値18人と最も小さい
- 47都道府県のうち36でグループホームが最多、10県で特別養護老人ホームが最多、介護付き有料老人ホームが最多なのは東京都だけ
- 住宅型・健康型の有料老人ホームと養護老人ホームの件数は、公表データからは出せない
- 絞り込みは「要介護認定→医療の必要度→認知症の診断→費用の決まり方」の順で進める
なお、当サイトは介護施設の運営や介護サービスの提供を行っていません。専門職による監修も受けていません。そのかわり、厚生労働省・国土交通省が公開しているデータを自分たちで集計し、法律の条文を原文で確認したうえで、数字と根拠のあることだけを書いています。個別のご事情の判断は、地域包括支援センター・ケアマネジャー・市区町村の窓口にご相談ください。
よくある質問
老人ホームの種類は、結局いくつあるのですか?
数え方によって変わります。当サイトが厚生労働省のオープンデータで数えられたのは、介護保険の指定を受けた14のサービス種別・全国36,354件です(2026年6月末時点・2026年8月11日取得)。ただしこれは介護保険の指定を基準にした数え方で、指定を受けていない住宅型・健康型の有料老人ホームや、市町村の措置で入所する養護老人ホームはこの14種別に含まれていません。「老人ホームは◯種類」という数字を見かけたときは、どの制度を基準に数えたものかをご確認ください。
公的施設と民間施設は、どちらが良いのですか?
当サイトでは、どちらが良いという評価はしていません。施設ごとのサービスの質を測るデータを持っていないためです。条文から言えるのは、公的施設と呼ばれる特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院は介護保険の施設サービスとして費用の枠組みが制度側で決まり、民間施設と呼ばれる有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は事業者との契約で決まる、という違いです。どちらが向いているかはご家族の状況によって変わりますので、地域包括支援センターや担当のケアマネジャーにご相談ください。
全国でいちばん数が多い種類はどれですか?
当サイトが厚生労働省のオープンデータを集計したところ、最も事業所数が多いのは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の14,236件で、14種別36,354件の39.2%を占めていました。次いで特別養護老人ホームが11,086件(30.5%)、介護付き有料老人ホームが4,735件(13.0%)です。なお、この特別養護老人ホームの件数と後述の最多判定は、広域型8,525件と地域密着型2,561件を合算したものです。ただし都道府県ごとに数え直すと順番は変わり、47都道府県のうち36でグループホームが最多、10県で特別養護老人ホームが最多、介護付き有料老人ホームが最多だったのは東京都(850件)だけでした。
サービス付き高齢者向け住宅は、この14種別に入りますか?
一部だけ入ります。厚生労働省のデータに載るのは、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅で、当サイトの集計では688件でした。サービス付き高齢者向け住宅そのものは国土交通省への登録制度で、登録は8,312件あります(2026年6月時点・2026年8月11日取得)。この2つは根拠となる制度も届出先も異なるデータで、実体が重なる施設があるため、足し合わせて総数とすることはできません。
住宅型有料老人ホームの件数はどこで分かりますか?
当サイトが扱っている公的データからは出せません。集計元である厚生労働省のオープンデータは介護保険の指定を受けた事業所の一覧であり、指定を受けていない住宅型・健康型の有料老人ホームは掲載されないためです。有料老人ホームは老人福祉法第29条第1項により都道府県知事への届出が必要なため、都道府県が独自に一覧を公表している場合があります。お住まいの都道府県の高齢者福祉担当課の情報をご確認ください。
認知症の親が入れるのは、どの種類ですか?
条文が対象を認知症と明記しているのはグループホームです。介護保険法第8条第20項は認知症対応型共同生活介護を「要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うこと」と定めています。ただし、ほかの種類の施設が認知症の方を受け入れないという意味ではありません。受け入れられる範囲は施設ごとに異なり、症状の程度によっても変わりますので、まずは主治医や地域包括支援センターにご相談ください。
