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介護保険の自己負担割合|1割2割3割の判定基準

介護保険の自己負担割合1割・2割・3割の判定
SYSTEM & INSURANCE

介護保険の自己負担割合|1割・2割・3割の判定基準をわかりやすく解説

最終更新:2025年6月1日 カテゴリ:制度・保険
介護保険サービスの自己負担は所得に応じて1割・2割・3割の3段階。判定基準と負担割合証の仕組みを整理し、家計の見通しに役立てましょう。

介護保険の自己負担割合の仕組み

介護保険サービスを利用する際の費用は、原則として所得に応じて1割・2割・3割のいずれかを自己負担し、残りを介護保険が給付します。

介護保険制度では、利用者がサービス費用の一部を自己負担し、残りを介護保険から給付するしくみになっています。その自己負担の割合(1割・2割・3割)は、利用者本人の所得や世帯の状況によって決まります

たとえば要介護3の方が介護付き有料老人ホームを利用する場合、介護サービス費の自己負担が1割か3割かで、月々の出費に大きな差が生じます。ご家族の介護費用の見通しを立てるうえで、まずこの割合を確認することが重要です。

SOURCE 厚生労働省「介護保険制度の概要」によると、65歳以上の第1号被保険者の自己負担割合は、一定以上の所得がある方は2割または3割、それ以外の方は1割とされています。なお40〜64歳の第2号被保険者は、原則として1割負担です。
出典:厚生労働省「介護保険制度の概要(令和6年度版)」

負担割合が適用される範囲

自己負担割合が適用されるのは、介護保険が給付する「介護サービス費」の部分です。施設に入居する場合の食費・居住費(部屋代)・日常生活費などは別途自己負担となり、この割合の対象外となります。老人ホーム入居の費用相場では、施設タイプ別の月額費用の内訳をまとめていますので、あわせてご参照ください。

また、要介護1〜5の違いで解説しているとおり、要介護度によって月ごとの支給限度額(区分支給限度基準額)が異なります。自己負担割合はその限度額の範囲内で発生します。

POINT 自己負担割合は「介護サービス費」への適用です。食費・居住費・日常生活費などは別途全額自己負担となるため、施設選びの際は両方を含めた月額費用で試算することをおすすめします。

1割・2割・3割の判定基準

自己負担割合は65歳以上の本人の合計所得金額と、同一世帯の65歳以上の人数・年金収入等によって判定されます。

自己負担割合の判定は、毎年8月1日に更新されます(前年の所得をもとに判定)。判定の基本的な流れは以下のとおりです。

負担割合 対象となる方の目安 ポイント
1割 合計所得金額が160万円未満の方、または2割・3割に該当しない方 65歳以上のほとんどの方が該当
2割 合計所得金額が160万円以上で、年金収入+その他所得が単身280万円以上(夫婦346万円以上)の方 現役世代と同程度の収入がある方が目安
3割 合計所得金額が220万円以上で、年金収入+その他所得が単身340万円以上(夫婦463万円以上)の方 現役並み所得者が対象
SOURCE 厚生労働省の資料によると、3割負担は2018年8月に導入されました。判定に用いる「合計所得金額」は、収入から必要経費(公的年金等控除・給与所得控除)を差し引いた額で、医療費控除などの所得控除適用前の数字です。なお40〜64歳の第2号被保険者は所得にかかわらず一律1割負担です。
出典:厚生労働省「介護保険制度における利用者負担について」

判定フローのイメージ

お住まいの市区町村が毎年7月ごろに判定を行い、8月から翌7月まで適用される「介護保険負担割合証」を送付します。判定は以下の順序で行われます。

  1. 本人の合計所得金額が160万円未満 → 1割(確定)
  2. 160万円以上 → 年金収入+その他所得を加算し、単身/夫婦の閾値と比較
  3. 単身340万円以上(夫婦463万円以上)→ 3割
  4. 単身280万円以上(夫婦346万円以上)→ 2割
  5. 上記に満たない → 1割
CAUTION 上記の金額はあくまで一般的な目安です。「合計所得金額」の計算方法や閾値の適用条件は年度改正や世帯構成によって異なる場合があります。正確な判定はお住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。

第2号被保険者(40〜64歳)の場合

40歳から64歳の方(第2号被保険者)は、特定疾病(16種類)に該当する場合に限り介護保険サービスを利用できます。この場合の自己負担割合は、所得にかかわらず一律1割とされています。

負担割合証とは

負担割合証は毎年7月ごろ市区町村から送付される証明書で、1〜3割のどの負担割合かが記載されています。サービス利用時に提示が必要です。

介護保険負担割合証(以下、負担割合証)は、要介護・要支援の認定を受けた方に対して市区町村から交付されます。サービス事業者に提示することで、適用される自己負担割合が確定します

負担割合証の基本情報

項目 内容
交付時期 毎年7月ごろ(更新のたびに郵送)
有効期間 毎年8月1日〜翌年7月31日
交付対象 要介護・要支援認定を受けた方
提示先 ケアマネージャー・各サービス事業者
再交付 紛失・破損した場合は市区町村窓口で申請可能
SOURCE 介護保険負担割合証は、介護保険法第12条の2の規定に基づき、市区町村が要介護・要支援認定者に対して交付します。認定証(介護保険被保険者証)とは別の書類であり、両方を保管しておく必要があります。
出典:e-Gov法令検索「介護保険法」第12条の2

負担割合が変わるタイミング

毎年8月に更新されますが、前年の所得が大きく変わった場合(退職・年金受給開始など)は、翌年の負担割合に影響します。また、同一世帯の家族が転出・転入した場合も判定に影響することがあります。施設の費用計画を立てる際は、今後の所得変化も視野に入れておくとよいでしょう。

POINT 負担割合証は介護保険証(被保険者証)とは別の書類です。紛失すると手続きが煩雑になるため、介護保険証と一緒にクリアファイルなどで保管しておくことをおすすめします。

高額になった場合の救済策

自己負担額が一定の上限を超えた分は「高額介護サービス費」として払い戻されます。また、施設の食費・居住費を軽減する「負担限度額認定」制度もあります。

介護保険サービスを多く利用すると、月々の自己負担が家計を圧迫することがあります。そのような場合に備えて、公的な救済制度が設けられています。主なものを以下にご紹介します。

① 高額介護サービス費

同一月内の介護保険サービスの自己負担合計額が、所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。詳しくは高額介護サービス費の申請方法をご覧ください。

区分 月額上限(世帯)
現役並み所得者(課税所得690万円以上) 140,100円
現役並み所得者(課税所得380万円以上) 93,000円
現役並み所得者(課税所得145万円以上) 44,400円
一般(市区町村民税課税世帯) 44,400円
住民税非課税世帯 24,600円
住民税非課税世帯(年金収入80万円以下等) 15,000円(個人)
SOURCE 高額介護サービス費の上限額は、厚生労働省「高額介護サービス費の負担限度額(令和3年8月施行)」に基づきます。令和3年8月の改正により、現役並み所得者については3段階の区分が設けられました。
出典:厚生労働省「高額介護(介護予防)サービス費の算定基準について」

② 負担限度額認定(食費・居住費の軽減)

施設サービスや短期入所サービスを利用する場合、住民税非課税世帯等を対象に食費・居住費の自己負担を軽減できる「負担限度額認定制度」があります。申請方法については負担限度額認定証の申請方法で詳しく解説しています。

③ 高額医療合算介護サービス費

介護保険と医療保険の自己負担を合算し、一定の上限を超えた分を払い戻す制度です。介護と医療の両方でかかっているご家族に特に有効な救済策です。

POINT 高額介護サービス費は、初回申請後は自動的に振り込まれる市区町村もありますが、申請が必要なケースもあります。「知らずに払い過ぎていた」という声もよく聞かれますので、ケアマネージャーや市区町村窓口に確認しておくことをおすすめします。

費用全体の見通しを立てたい方は、老人ホーム入居の費用相場もあわせてご覧ください。施設タイプ別の月額費用の目安をまとめています。

まとめ

自己負担割合は所得に応じた1〜3割。負担割合証を毎年確認し、高額になる場合は救済制度を積極的に活用しましょう。

介護保険の自己負担割合は、本人の合計所得金額と年金収入等をもとに、市区町村が毎年判定します。ポイントを整理すると以下のとおりです。

  • 負担割合は1割・2割・3割の3段階で、毎年8月1日に更新される
  • 判定基準となるのは本人の合計所得金額と年金収入等の合算額
  • 負担割合証は毎年7月ごろ郵送されるので必ず保管しておく
  • 自己負担が上限を超えた場合は高額介護サービス費として払い戻しを受けられる
  • 食費・居住費の軽減には負担限度額認定制度の活用も検討する

自己負担割合の詳細な計算や適用条件については、市区町村によって細かな取り扱いが異なる場合があります。具体的なご判断は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口またはケアマネージャーにご相談ください。

よくある質問

自己負担割合はいつ決まり、いつ変わりますか?

毎年前年の所得をもとに市区町村が判定し、8月1日から翌年7月31日まで適用されます。判定結果は毎年7月ごろに「介護保険負担割合証」として郵送されます。

親が無年金・低年金の場合、自己負担割合はどうなりますか?

合計所得金額が160万円未満であれば、原則として1割負担となります。また、住民税非課税世帯の場合は負担限度額認定制度(食費・居住費の軽減)も利用できる可能性があります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。

2割・3割の人でも高額介護サービス費の対象になりますか?

はい、2割・3割の方も高額介護サービス費の対象となります。ただし、月額の上限額は所得区分によって異なります。上限を超えた分は申請により払い戻しを受けることができます。

家族が同居している場合、世帯の所得も判定に影響しますか?

自己負担割合の判定は、原則として本人(65歳以上の被保険者)の所得をもとに行います。ただし、同一世帯に65歳以上の方が複数いる場合は、世帯全体の年金収入等も加味されることがあります。詳細は市区町村の窓口にご相談ください。

負担割合証を紛失した場合はどうすればよいですか?

お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に申請することで再交付を受けることができます。手続きには本人確認書類が必要です。ケアマネージャーに相談すると手続き方法を案内してもらえることもあります。

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