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負担限度額認定証の申請方法|食費・居住費の軽減手続

負担限度額認定証食費・居住費の軽減方法
SYSTEM & INSURANCE

負担限度額認定証とは?食費・居住費を大幅に軽減する申請方法を解説

最終更新:2026年5月17日 カテゴリ:制度・保険
負担限度額認定証を取得すると、特養などの施設で食費・居住費が1日あたり数百円から1,000円以上軽減される場合があります。収入・資産が一定以下のご家族であれば申請できる公的制度です。

負担限度額認定証とは

介護保険施設に入居・短期入所する際の食費と居住費(部屋代)を、低所得の方に限り国が定める上限額まで抑えられる制度です。

介護保険サービスには、介護サービス費だけでなく、施設に入居・通所する際の食費居住費(滞在費)が別途かかります。これらは原則として全額自己負担とされていますが、収入や資産が一定基準以下のご家族に対しては、「補足給付(特定入所者介護サービス費)」という給付によって負担が軽減されます。

この補足給付を受けるために市区町村から交付されるのが、「介護保険負担限度額認定証」です。認定証を施設に提示することで、食費・居住費が国の定める「負担限度額」までに抑えられ、差額は介護保険から給付されます。

対象となる施設・サービス

負担限度額認定証が利用できる主なサービスは以下の通りです。

  • 特別養護老人ホーム(特養)への入居
  • 介護老人保健施設(老健)への入居
  • 介護医療院への入居
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)の利用
  • 短期入所療養介護の利用
CAUTION 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、この補足給付制度の対象外となります。特養とサ高住の費用の違いについては別記事でも詳しく解説しています。
SOURCE 厚生労働省「介護保険の給付について(補足給付)」によると、補足給付は介護保険法第51条の3に基づく制度であり、低所得の施設入居者等の食費・居住費について、一定の負担限度額を超える部分を介護保険から給付するものとされています。

対象者の要件(収入・資産の基準)

世帯全員が市区町村民税非課税であること、かつ預貯金等が一定額以下であることが主な要件です。収入額によって第1〜第3段階の3区分に分かれます。

負担限度額認定証の対象者になるためには、主に次の2つの条件を満たす必要があります。

  • ①世帯全員が市区町村民税非課税であること
  • ②預貯金・有価証券等の資産が一定額以下であること

さらに収入の水準によって、以下の「段階」に区分されます。段階が低いほど、食費・居住費の負担限度額も低くなります。

所得段階の区分

段階 対象者 資産要件(預貯金等)
第1段階 生活保護受給者、または世帯全員が市区町村民税非課税かつ老齢福祉年金受給者 単身1,000万円以下
夫婦2,000万円以下
第2段階 世帯全員が市区町村民税非課税で、年金収入等が年間80万円以下 単身650万円以下
夫婦1,650万円以下
第3段階① 世帯全員が市区町村民税非課税で、年金収入等が年間80万円超〜120万円以下 単身550万円以下
夫婦1,550万円以下
第3段階② 世帯全員が市区町村民税非課税で、年金収入等が年間120万円超 単身500万円以下
夫婦1,500万円以下
第4段階(対象外) 市区町村民税が課税されている方が世帯にいる場合 補足給付の対象外
SOURCE 厚生労働省「令和3年8月施行の介護保険制度の見直しに関するQ&A」より。資産要件・所得基準は制度改正により変更されることがあります。最新情報はお住まいの市区町村窓口にご確認ください。

「世帯分離」している場合の取り扱い

介護施設に入居している方が、住民票上で家族と世帯分離をしている場合、その方の世帯は「施設入居者本人のみ」となります。この場合、配偶者が別の世帯にいても、配偶者の課税状況が判定に影響する点に注意が必要です。具体的には、「配偶者が課税されている場合は補足給付の対象外」とされています。

POINT 「世帯全員が非課税」の確認は、市区町村の税務担当窓口でできます。介護保険の自己負担割合の確認とあわせて問い合わせると効率的です。

非課税年金も収入として算定される

2015年(平成27年)8月の制度改正以降、遺族年金や障害年金などの非課税年金収入も、所得段階の判定に含まれるようになりました。受給している年金の種類がわからない場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」や最寄りの年金事務所でご確認いただくと整理しやすいでしょう。

申請の流れと必要書類

申請は市区町村の介護保険担当窓口に書類を提出するだけです。認定証は申請月の初日から有効となり、有効期限は毎年7月31日です。

申請の流れ

  1. お住まいの市区町村の介護保険担当窓口または地域包括支援センターに問い合わせる
  2. 「介護保険負担限度額認定申請書」を入手する(多くの自治体でウェブサイトからダウンロードも可能)
  3. 必要書類を揃えて窓口または郵送で提出する
  4. 審査後、認定証が郵送で交付される(概ね2〜4週間程度が目安とされています)
  5. 認定証を施設に提示し、軽減された金額で食費・居住費を支払う

主な必要書類

  • 介護保険負担限度額認定申請書(窓口またはウェブサイトで入手)
  • 介護保険被保険者証
  • 預貯金通帳等の写し(直近2か月分が必要な場合が多い)
  • 有価証券・投資信託等を保有している場合はその残高証明書等
  • 負債(借入金等)がある場合はその証明書(ローン残高証明書など)
CAUTION 申請書の様式や必要書類は市区町村によって若干異なる場合があります。事前に窓口にご確認いただくとスムーズです。また、申請は毎年更新が必要です。有効期限の終了前に更新の案内が届きますので、見落とさないようご注意ください。

認定証の有効期限

負担限度額認定証の有効期間は、毎年8月1日〜翌年7月31日です(ただし、申請した月が有効開始日となります)。入居後すぐに申請することをおすすめします。申請が遅れた月は遡って軽減を受けることが原則できないため、施設への入居が決まったタイミングで早めに手続きを進めましょう。

POINT 地域包括支援センターでは、申請書類の書き方のサポートや窓口への同行相談も対応している場合があります。書類の準備が不安な方はまず相談してみると良いでしょう。
SOURCE 厚生労働省「介護保険制度の利用について(負担限度額認定の手続き)」に基づく。申請手続きの詳細や様式はお住まいの市区町村の公式ウェブサイトをご参照ください。

軽減される費用の目安

食費は1日あたり最大300円〜、居住費はユニット型個室で最大820円〜を負担限度額とし、それ以上の部分が給付されます。段階によって軽減幅は大きく異なります。

以下の表は、施設サービス(特養・老健・介護医療院)における食費と居住費の1日あたりの負担限度額の目安です。この額を超える分は介護保険(補足給付)から給付されます。実際の基準額は施設の設定や改定により変わることがあります。

食費の負担限度額(1日あたり・施設サービスの目安)

段階 負担限度額(1日) 月額換算(30日)
第1段階 300円 約9,000円
第2段階 390円 約11,700円
第3段階① 650円 約19,500円
第3段階② 1,360円 約40,800円
第4段階(基準費用額) 1,445円(目安) 約43,350円

居住費の負担限度額(1日あたり・ユニット型個室の目安)

段階 負担限度額(1日) 月額換算(30日)
第1段階 820円 約24,600円
第2段階 820円 約24,600円
第3段階① 1,310円 約39,300円
第3段階② 1,310円 約39,300円
第4段階(基準費用額) 2,006円(目安) 約60,180円
CAUTION 上記の金額はあくまで目安です。居住費は居室タイプ(ユニット型個室・従来型個室・多床室など)によって異なります。また、制度改正により変更される場合がありますので、実際の施設および市区町村窓口にてご確認ください。

軽減額のイメージ

たとえば、第2段階に該当する方が特養に入居した場合、食費と居住費(ユニット型個室)を合計すると、1か月あたりの負担は目安として約36,000円程度(食費約11,700円+居住費約24,600円)となる場合があります。一方、補足給付がない第4段階では食費・居住費だけで10万円を超えることもあるため、制度の有無で毎月の支払い額が大きく変わります。

施設での費用全体については、老人ホーム入居の費用相場の記事で施設タイプ別に詳しく解説しています。また費用負担が厳しい場合は、介護費用が払えない時の選択肢もあわせてご覧ください。

SOURCE 厚生労働省「介護保険の給付(特定入所者介護サービス費)」に基づく目安です。基準費用額・負担限度額は毎年度改定される場合があります。最新の金額は厚生労働省または市区町村窓口にご確認ください。

注意しておきたいポイント

認定証は「施設に持参してはじめて有効」です。交付後は速やかに施設へ提示しましょう。また、毎年の更新手続きを忘れると軽減が途切れる場合があります。

高額介護サービス費との関係

補足給付(負担限度額認定証)とは別に、介護サービス費の自己負担が月額の上限を超えた場合に払い戻される「高額介護サービス費」という制度もあります。この2つは別々の制度で、どちらも要件を満たせば同時に利用可能です。まず補足給付で食費・居住費を抑え、さらにサービス利用料が上限を超えれば高額介護サービス費の申請も検討しましょう。

費用が払えなくなった場合のその他の選択肢

負担限度額認定証を取得しても、施設費用の支払いが難しい状況になることもあります。そのような場合には、老人ホームを安く抑える方法の記事で紹介している多床室の活用や公的施設への転居なども選択肢のひとつです。また、自治体ごとの生計困難者への利用者負担軽減制度(社会福祉法人等による減額)も設けられている場合があります。

POINT 負担限度額認定証は、交付されてから施設に提示するまでの間に余裕があると、その月の費用計算がスムーズです。入居前の段取りのひとつとして、入居日が確定したら早めに申請の準備を始めることをおすすめします。

まとめ

負担限度額認定証は、要件を満たせば必ず申請できる公的制度です。見落とすと毎月の費用が大きく変わるため、入居が決まったら早めに市区町村へ確認しましょう。

負担限度額認定証(補足給付)は、世帯全員が市区町村民税非課税で、預貯金等が一定額以下のご家族が対象となる制度です。申請が通れば、施設での食費・居住費の自己負担が大幅に軽減されます。

  • 申請窓口はお住まいの市区町村の介護保険担当窓口
  • 認定証は毎年更新が必要(有効期限は毎年7月31日)
  • 有料老人ホームやサ高住は対象外
  • 高額介護サービス費と組み合わせて活用できる
  • 要件が変わった場合は再申請が必要

制度の詳細や申請書類については、自治体によって異なる場合があります。具体的なご状況については、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や、地域包括支援センターにご相談ください。

よくある質問

負担限度額認定証の申請は施設が代わりにしてくれますか?

申請はご家族または本人が市区町村の窓口で行うのが原則です。ただし、施設のケアマネジャーや相談員が申請のサポートをしてくれる場合もあります。入居先の施設に「申請の手続きについて教えてほしい」と相談してみるとよいでしょう。

ショートステイでも使えますか?

はい、短期入所生活介護(ショートステイ)および短期入所療養介護も補足給付の対象です。ただし、ショートステイと施設サービスでは食費の負担限度額が異なる場合がありますので、施設または市区町村窓口でご確認ください。

認定証を取得した後に収入や資産が増えた場合はどうなりますか?

認定証の有効期間中であっても、収入や資産の状況が変わった場合は、市区町村へ報告する義務があります。翌年度の更新時に再審査が行われますが、状況によっては途中で資格が失われることもあります。不明な点は市区町村窓口にお問い合わせください。

親が施設に入居中ですが、今から申請できますか?

入居中でも申請可能です。ただし、補足給付は申請した月の初日から有効となり、それ以前にさかのぼって軽減を受けることは原則できません。気づいた時点でできるだけ早く申請することをおすすめします。

有料老人ホームに入居中ですが対象になりますか?

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、補足給付(負担限度額認定証)の対象外です。これらの施設は介護保険上の「施設サービス」ではなく、居住費・食費が契約ベースで設定されています。費用を抑えたい場合は、老人ホームを安く抑える方法をご参考ください。

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